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Treatment Age 38-39
38歳〜39歳の不妊治療
38〜39歳は妊娠の可能性がまだ十分にあるものの、卵子の質の低下が妊娠率の低下に明確に影響してくる年齢です。様子を見るよりも、早めに受診し、積極的な治療介入が検討されます。体外受精の保険適用の制限も考慮し、なるべく早めの通院治療開始をおすすめします。


※45歳以上については実際に妊娠に至った方の人数が少ないため、この数値はあくまで参考程度にお考えください。
一般的に年齢が上がるにつれて流産の可能性も高くなる傾向があります。
早めに受診を
ご検討いただきたい方
以下のいずれかに該当する方は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
- 39歳6ヶ月を過ぎている方
- 妊活を始めて6ヶ月経っても妊娠しない方
- 子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症と診断されたことがある、またはこれらの手術歴がある方
- クラミジア感染症や腹膜炎の既往がある方
- 性交渉がうまくいかない方
- 男性パートナーにおいて、精巣の疾患歴や成人後のおたふくかぜ感染の既往がある方
これから妊活を始める方へ
ご年齢や検査結果、ご希望に応じて、タイミング法や人工授精から始める場合でも、早期に体外受精(IVF)へのステップアップをご提案することがあります。
まずは問診から
- 妊娠・分娩歴、既往歴、アレルギー、喫煙歴
- 月経周期・月経痛の有無
- 婦人科通院歴や子宮がん検診の受診歴など
初期検査としておすすめする項目
- 超音波検査:子宮や卵巣の評価
- 卵巣予備能検査(AMH):卵子の残りの数の目安
- ホルモン検査(FSH・LH・E2など):排卵のタイミングや卵巣機能を確認
- 精液検査:妊娠にはパートナーの状態も大切です
- 子宮卵管造影(HSG):卵管の通りや子宮形態をチェック(早期に体外受精を開始する場合には必ずしも必要ではありません)
すでに妊活をされている方へ
38〜39歳の妊活は、「時間をかけすぎないこと」が大切です。卵子の質は年齢とともに変化するため、治療の見直しが重要です。
治療ステップの目安
- タイミング法・人工授精は、2〜3周期までを目安に
- その後は、体外受精への早期移行をおすすめします
胚移植の保険適用について
現在は保険診療で体外受精が可能ですが、胚移植の保険適用回数には年齢制限があります。治療開始のタイミングが将来の選択肢に影響するため、早めの相談・治療開始が望ましい場合もあります。
胚移植の保険適用回数
治療開始年齢 | 胚移植の保険適用回数 |
---|---|
39歳まで | 最大6回 |
40歳以降 | 最大3回 |
2人目以降の妊娠を希望される方へ
以前に妊娠・出産のご経験がある方でも、年齢や体の状態は変化しています。特に38〜39歳では、卵巣機能や精子の状態が前回と異なっている可能性があります。
治療のポイント
- まずは、以前の妊娠時の経過を参考に治療を計画
- 「前回うまくいったから今回も同じで大丈夫」とは限りません
- 改めて検査を行い、必要に応じて体外受精へのステップアップも検討しましょう
- 過去に採卵した凍結胚が残っていれば、凍結融解胚移植により妊娠成立を目指すことができます
- 帝王切開の既往がある場合、瘢痕部が妊娠に影響する可能性があるため、超音波検査や子宮鏡検査による評価を行ったうえで治療を開始します