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Treatment Age 40-42

40〜42歳の不妊治療

40歳を過ぎると、すでに卵子の数や質の低下が進行しています。一方で、40〜42歳でも妊娠・出産される方は少なくありません。大切なのは、「現状を正確に把握し、適切な治療を早期に開始すること」です。初期段階から体外受精(IVF)を検討することの多い年齢です。体外受精の保険適用の制限も考慮し、なるべく早めの通院治療開始をおすすめします。

※45歳以上については実際に妊娠に至った方の人数が少ないため、この数値はあくまで参考程度にお考えください。
一般的に年齢が上がるにつれて流産の可能性も高くなる傾向があります。

早めに受診をご検討いただきたい方

以下のいずれかに該当する方は、できるだけ早めの受診をおすすめします。

  • 妊活を始めて6ヶ月経っても妊娠しない方(6ヶ月様子を見る必要はありません)
  • 子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症などの診断歴・手術歴がある方
  • クラミジア感染症や腹膜炎の既往がある方
  • 性交渉がうまくいかない方
  • 男性パートナーに精巣疾患やおたふくかぜ感染歴がある方

これから妊活を始める方へ

年齢による卵子の質の変化は、治療の成果に直接影響します。現状の把握と治療方針の決定を急ぎます。

まずは問診から

  • 妊娠・分娩歴、既往歴、アレルギー、喫煙歴
  • 月経周期・月経痛の有無
  • 婦人科通院歴や子宮がん検診の受診歴など

推奨される初期検査

  • 超音波検査:子宮や卵巣の評価
  • 卵巣予備能検査(AMH):卵子の残りの数の目安
  • ホルモン検査(FSH・LH・E2など):排卵のタイミングや卵巣機能を確認
  • 精液検査:妊娠にはパートナーの状態も大切です
  • 子宮鏡検査(HFS):子宮内膜ポリープの有無など、貴重な胚を移植する子宮内環境を確認します

すでに妊活をされている方へ

40〜42歳で妊活を継続している方には、「時間を意識した治療戦略」がとても重要です。

治療ステップの目安

  • タイミング法・人工授精を行う場合は、2周期程度を限度に
  • すでに複数周期行っている場合は、早めの体外受精・顕微授精への移行をおすすめします

胚移植の保険適用について

体外受精(IVF)は保険診療で受けられますが、胚移植には回数制限があります。治療開始時にすでに40歳を超えている方は、胚移植の保険適用は最大3回までです。可能な限り保険適用を有効活用できるよう、早めの方針決定が望まれます。
治療成功率に対して保険適用の回数が少ないため、3回の胚移植で妊娠成立しなかった方は、自費診療で治療を継続される方や、ステップダウンして人工授精を保険診療で継続される方もいます。

2人目以降の妊娠を希望される方へ

過去に妊娠・出産された方でも、40歳以降では卵巣機能や卵子の質が大きく変化しています。

治療のポイント

  • 以前の妊娠経過は参考にしつつも、現在の状態を的確に評価
  • 精液所見や子宮の状態なども再確認し、より確率の高い方法(体外受精など)を選択することが多くなります
  • 過去に採卵した凍結胚が残っていれば、凍結融解胚移植により妊娠成立を目指すことができます
  • 帝王切開の既往がある場合、瘢痕部が妊娠に影響する可能性があるため、超音波検査や子宮鏡検査による評価を行ったうえで治療を開始します