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NGS-Based Miscarriage Chromosomal Testing

次世代シーケンサーを用いた流産絨毛染色体検査
(先進医療:流死産検体を用いた遺伝子検査)

NGSを用いた流産絨毛染色体検査は、流産原因が染色体異常かどうかを解析する先進医療で、G分染法では検出困難な微細異常やモザイクも評価可能です。今後の検査や妊娠に向けた治療方針の参考となります。

NGSを用いた流産絨毛染色体検査とは

本検査は、流産の原因が胎児の染色体異常によるものであったかどうかを明らかにすることを目的とした検査です。次世代シーケンサー(NGS)を用いることで、従来のG分染法では検出が困難であった微細な染色体異常やモザイクなども解析可能です。
不育症(2回以上の流産)の患者さまにとって、今回の流産の原因を特定することは今後の妊娠に向けた重要な情報となる可能性があります。

従来法との違い

保険診療では、流産時の絨毛組織を回収してG分染法による染色体検査を行うことがありますが、この方法では検出できない異常や、培養不良による結果不能が一定の頻度で発生します。
NGS法では、培養を必要とせずDNAを直接解析するため、結果の判明率が高く、より詳細な染色体情報を得ることができます。
また、流産手術を行わずに自然排出された組織であっても、絨毛組織が適切に採取・保存されていれば検査が可能です。

対象となる方

  • 1回以上の流産歴がある方
  • 今回の流産において絨毛組織を回収できた方
  • 流産の原因を明らかにし、今後の妊娠に備えたいと考える方

実施方法

  1. 絨毛組織(胎児の一部)を病院または自宅などで排出された後、滅菌容器で回収します。
  2. 回収された検体は、専用の検査機関へ送付され、NGS法にて解析されます。
  3. 結果は通常3〜4週間程度で報告され、臨床遺伝専門医がご夫婦に遺伝カウンセリングを行います。

検査結果によっては、染色体構造異常(転座など)の可能性が示唆されることがあり、その際は夫婦の染色体検査(G分染法)を追加でご提案することがあります。

費用について

通常の保険診療と併せて実施することが可能ですが、先進医療のため患者さまの全額自己負担となります。ただし、民間の医療保険(先進医療特約)や都道府県などの助成制度を利用することで負担を軽減できることがあります。

先進医療に係る費用:84,280円(患者全額自己負担)

注意事項

治療の有益性は現在も検討が進められており、誰にでも有益な検査とは考えられていません。当院では患者さまの状況に応じて個別に検査の適応を判断し、十分な説明を行った上で実施いたします。
代替検査として、G分染法による染色体検査(保険診療)や、流産後の夫婦染色体検査(G分染法、自費診療)などをご提案することがあります。患者さま一人ひとりの状況に応じて、最適な検査・治療プランをご提案いたします。