体外受精は卵子と精子を外に取り出して、受精させた受精胚を一定期間育ててから最後にお腹の中(子宮)に戻して妊娠を目指す技術です。この最後に受精胚をお腹の中(子宮)に戻す操作を胚移植と呼びます。ここでは胚移植での培養士の役割について解説します。

胚移植の手順は
1. 移植胚を移植用のチューブ(カテーテル)の中に吸う
2. チューブの先端を子宮の中に誘導する
3. チューブの中から受精胚を外に出して子宮の中に戻す
1.の工程は培養士が、2.の工程は医師が、3.は医師と培養士が連携して行います。
まずは胚移植のCGをご覧ください。
次に培養士の役割である「1. 移植胚を移植用のチューブ(カテーテル)の中に吸う」工程をご覧ください。この動画は実際に胚移植をしている時のもので患者さんにも一緒見てい頂いています。胚移植の前にモニター画面を通して患者さんに、これからお腹の中に戻す胚を見て頂きます。次いで、カテーテルの中に胚を吸い上げて、最後に先端に少し空気を吸います。
次に医師の役割である「2. チューブの先端を子宮の中に誘導する」と、医師と培養士が連携して行う「3. チューブの中から受精胚を外に出して子宮の中に戻す」の超音波画像をご覧ください。医師が子宮の「入口」の方からカテーテルの先端を「奥」の方にゆっくりと進めます。カテーテル先端が「奥」の方に辿り着いたら動きを止めて、医師の合図で培養士は胚を注入します。動画開始23秒辺りで子宮の奥でキラッと光ったように見えます。これはカテーテルの先端に吸った空気が超音波画像上、白く見えているので、これを頼りにチューブの先端の位置、更には胚がチューブの外に出たことを確認します。
胚移植は体外受精の最後を締めくくる大切な操作です。患者さん、医師、培養士、看護師の全員で妊娠を目指す共同作業になります。今回は胚移植での培養士の役割について解説しました。
文責:平岡謙一郎(亀田IVFクリニック幕張 培養管理室長/生殖補助医療管理胚培養士)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。