体外受精で卵は体の外に取り出されてから、お腹の中の代わりとなる培養液(卵の成長のために必要な栄養を含んだ液体)を何種類か渡り歩くことになります。
今回の記事では卵の培養液間の移動について解説致します。
卵の培養液間を移動は、タピオカをストローの中に吸い込むのと同じ要領で、卵をピペットの中に吸い込むことで行います。

卵を培養液Aから培養液Bにピペットを使って移動するアニメーションをご覧ください。ピペットの中に卵を吸い込むのは、タピオカをストローの中に吸い込むのと同じ要領で、ピペットに接続されたチューブを介して口で吸い込みます。ピペットの中から卵を外に出すときは口で吐き出します。呼気で卵を汚染しないようチューブと口の間にはフィルターを入れています。培養士にとっては卵の培養液間の移動は必須の操作です。
次回はピペットの作り方、ピペットのサイズの確認方法について説明致します。
文責:平岡謙一郎(培養室長)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。