培養

2025.10.11

受精胚の凍結を成功させるために_凍結時

受精胚の凍結を成功させるためには、約80%と言われる細胞の中の水分を抜いて、マイナス196℃の液体窒素の中に入れたあと、細胞の中をガラス化状態にする必要があります。

このガラス化状態は固体ではなく、アイスクリーム状になっていると言われています。細胞の中の水分をそのままにマイナス196℃の中に受精胚を入れると、細胞の中は凍った氷の結晶によって固体化し、細胞は物理的に破壊、その結果、受精胚は死んでしまいます。

このガラス化する確率の公式はこちらになります。値が高ければ高い程、ガラス化状態が高く凍結が成功する確率が高まります。

この公式が意味するところは、凍結するときに受精胚と一緒に載せる凍結液の量(サンプルの量)を少なくすればするほど、ガラス化する確率は高くなるということです。また、凍結液の量を少なくすればするほど、マイナス196℃までに冷える時間が短くなることで冷却速度も上がることを意味しています。

こちらは受精胚を凍結するときの動画になります。凍結保存容器を液体窒素の中に投入する前に受精胚と一緒に載せる凍結液の液量を極力減らして、凍結の成功率を高めている様子がお分かり頂けると思います。


次回は同じ公式を使って融解時の手技で特に気を付けなければならない点について解説致します。

文責:平岡謙一郎(亀田IVFクリニック幕張 培養管理室長/生殖補助医療管理胚培養士)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 凍結受精卵

# 凍結融解胚移植

亀田IVFクリニック幕張 生殖医療事業管理部 培養管理室長

平岡 謙一郎

亀田IVFクリニック幕張 培養管理室長/生殖補助医療管理胚培養士。広島県立大学大学院修了(博士)。体外受精の中心となる受精・培養・凍結について専門知見に基づき紹介している。

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