培養

2024.12.21

顕微鏡調整の重要性

微授精で卵子の中に入れる精子は顕微鏡で拡大して選びます。しかし、顕微鏡の調整が上手くいっていないと精子がハッキリと見えず良いものを選ぶことが困難になります。今回は顕微鏡調整の重要性について説明したいと思います。
当クリニックでの精子選びは1,200倍で行っています。1,200倍の内訳ですが、接眼レンズの10倍と対物レンズの60倍を掛け合わせて600倍になったものを変倍装置で2倍にして最終的に1,200倍となっています。

対物レンズには補正環と呼ばれるダイヤルのようなものが内蔵されています。これは顕微授精をするときに使う培養皿の底のガラスの厚さに合わせて調整が必要です。

補正環は顕微鏡のステージの下にあるので指を伸ばしてぐるぐる回して調整します。


今回は、この補正環の調整が合っている場合と合っていない場合とで見え方がどのように変わるのかを紹介します。

次の動画は3パターンの補正環での精子の見え方を示しています。一番左は補正環の値が最小、真ん中は0.5、一番右が1.3になります。
真ん中の調整で精子が一番綺麗に見えるのがお分かりいただけると思います。


顕微鏡の調整を怠らず常にベストの状態で良い精子を選別していきたいと思います。

文責:平岡謙一郎(亀田IVFクリニック幕張 培養管理室長/生殖補助医療管理胚培養士)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 顕微授精(ICSI)

亀田IVFクリニック幕張 生殖医療事業管理部 培養管理室長

平岡 謙一郎

亀田IVFクリニック幕張 培養管理室長/生殖補助医療管理胚培養士。広島県立大学大学院修了(博士)。体外受精の中心となる受精・培養・凍結について専門知見に基づき紹介している。

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