培養

2024.09.16

卵子凍結を動画で紹介

今回は卵子凍結をするときの卵子の形態の変化を動画で紹介致します。
卵子凍結に必要な主な機材は、凍結液(二種類:平衡化液とガラス化液)、保存容器、液体窒素の3つになります。

卵子凍結の流れは以下の通りです。卵子を順に平衡化液→ガラス化液に入れた後、保存容器の上に乗せて、保存容器ごと液体窒素の中に投入します。

まずは凍結前の卵子の様子を動画(13秒)でご覧ください。卵子は球体の形でゆるやかに転がっています。


次に卵子を平衡化液に入れた後の様子を動画(38秒)でご覧ください。卵子が縮んで表面が凸凹になっています。これは卵子の中に含まれている水分が外に出ているからです。水をたっぷり吸い込んだスポンジをギュッと握りしめるとスポンジが縮んで中に含まれている水が外に染み出しているイメージです。動画再生から20秒以降、動画の再生速度が8倍速になります。卵子が徐々に膨らんできて凸凹だった卵子の表面が徐々に丸みを帯びてきます。凍結液の中に入っている凍結保護剤が卵子の中に染み込んでいるからです。水が抜けた分、凍結保護剤が入り込んでバランスを保っているイメージです。実際の動画は15分です。最後の方では卵子はほぼ元の大きさの球体に戻っているのがお分かりいただけると思います。


次に卵子をガラス化液に入れた後の様子を動画(19秒)でご覧ください。卵子はもう一度、縮みます。これで、凍結のための卵子の準備(卵子の中の水を抜く)は完了です。あとは保存容器に乗せて液体窒素にドボンするだけです。


次に卵子を保存容器に乗せて液体窒素にドボンする様子を動画(11秒)でご覧ください。これで凍結操作は全て終了です。


卵子凍結では、卵子は液体窒素の中に入る前に2回縮む様子がお分かりいただけたと思います。一工程で約20分掛かります。卵子凍結成功のポイントは卵子の中に含まれている水分を抜くことです。卵子の中から水が抜けるところは見えないので、卵子が縮む→元の大きさに戻る→卵子がもう一度縮む、という具合に卵子の形の変化を慎重に見ることで見極めます。卵子の凍結に限らず、体外受精に関わる全ての操作において、卵子の形の変化に気を配ることは培養士にとってとても大切なことです。

文責:平岡謙一郎(亀田IVFクリニック幕張 培養管理室長/生殖補助医療管理胚培養士)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 卵子凍結

# 妊孕性温存

亀田IVFクリニック幕張 生殖医療事業管理部 培養管理室長

平岡 謙一郎

亀田IVFクリニック幕張 培養管理室長/生殖補助医療管理胚培養士。広島県立大学大学院修了(博士)。体外受精の中心となる受精・培養・凍結について専門知見に基づき紹介している。

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