体外受精

2021.08.31

卵子数が少ない高年齢女性へのPPOSは?(Reprod Biol Endocrinol. 2019) 

はじめに

PPOS(プロゲスチンプロトコール)を、卵巣機能が低下している高齢女性(40歳以上)に用いた場合はどうなんでしょうか。

ポイント

40歳以上の女性に対するPPOSは、CC-HMG法と比較して最高品質胚の割合が高く、臨床妊娠率も同等であり、卵巣刺激法として有用である可能性が示されました。最近では卵巣予備能低下女性に対してPPOSは不向きという報告もありますので症例ごとに検証が必要です。 

引用文献

Qian Peng, et al. Reprod Biol Endocrinol. 2019.DOI: 10.1186/s12958-019-0518-3 

論文内容

女性年齢が40歳以上(平均43歳、回収卵子数3個前後)の体外受精患者を対象としました。CC-HMG群、PPOS群の胚発生および臨床成績を比較しました。評価項目は採卵後3日目の良好胚割合、臨床妊娠率としました。 

結果

CC-HMG群(122サイクル)とPPOS群(47サイクル)で同様でした。採卵後の成熟卵子数、受精率、分割率には有意な差は認めませんでした。最高品質の受精胚の割合がPPOS群で高く(50.08% vs. 33.29%、p=0.015)、有効胚の割合も増加傾向にありました(73.55% vs. 61.16%)。刺激期間が同程度であったにもかかわらず、PPOS群でより多くのゴナドトロピンが必要でした(2061.17±1254.63単位 vs. 1518.14±547.25単位、p < 0.05)。凍結融解胚移植での臨床妊娠率は、CC-HMG群(12.5%)とPPOS群(16.7%)で有意な差は認めませんでした。 
結論 PPOS群は40歳以上女性の卵巣刺激法として問題ないことがわかりました。 
premature LH surgeはトリガー日にLH level ≥ 10 IU/Lでありprogesterone level ≥ 3.18 nmol/Lである症例と定義されています(Lambalk CB, et al. Hum Reprod. 2006)。 

私見

個人的にはPPOS 47症例中1名のpremature LHサージ症例、そしてキャンセルとなった7症例がどのような症例だったかが知りたかったのですが、記載はありませんでした。キャンセル症例はCC-HMG症例でも25.4%。多分、思ったように発育卵胞数が得られなかったのではないでしょうか。真実は不明です。 
刺激方法は月経周期3日目からCC 100mg/日+HMG 150-225IU/日を投与したCC-HMG群、月経周期3日目からデュファストン®️ 20mg/日+HMG 150-225IU/日を投与したPPOS群での比較です。CC-HMG群は国内で行われているようなCC+隔日HMGではないので解釈には注意をんさってください。 

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 卵巣予備能、AMH

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# 卵巣刺激

# 年齢素因

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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