男性不妊

2022.09.03

勃起障害と不妊症の保険診療について②

Q. 勃起障害による不妊症対して、バイアグラ®️やシアリス®️は健康適用ですか? 
A. 条件があえば健康保険が使えます。タイミング法のために利用されます。 

生殖医療ガイドラインのホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5i)についての記載(「PDE5阻害薬は、勃起障害を伴う男性不妊症に対して有効である。」)がもとになって、男性不妊症の患者さんでの勃起障害に対して、バイアグラ(シルデナフィルクエン酸塩)およびシアリス(タダラフィル)が2022年4月から保険収載となりました。バルデナフィル塩酸塩は収載されていません。ご存知の通り、これまで我が国で処方はみとめられていたものの勃起障害に対しては、自費診療での取り扱いでした。 
ただし、保険診療での使用には厳密な条件があり、簡単に言うと不妊症の男性因子として、基本的に、経験のある泌尿器科医師が診療し、ED診療ガイドラインに沿って勃起障害が診断され、タイミング法を行う場合に保険診療として処方が可能であり、条件を満たさない場合はひきつづき自費となります。こまかな条件については「勃起障害と不妊症の保険診療について③」にてご紹介します。 
不妊症診療は、女性側の診療が中心となっていることを理解する必要があります。我が国の保険診療としての生殖医療は女性側の治療を中心として組み立てられられており、タイミング法や人工授精での治療である「一般不妊治療」と、「生殖補助医療」(採卵や体外受精、顕微授精、胚移植など)の2段階となっています。PDE5iは、基本的にタイミング法に用いられることになります。ちなみに、生殖補助医療による治療が開始されても、周期によってはタイミングを取る場合もあります。 

参考文献 

CQ38勃起障害を伴う男性不妊症に対し、ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬は有効か? 生殖医療ガイドライン、一般社団法人日本生殖医学会編、(株)杏林舎、東京、p141-142、2021年(http://www.jsrm.or.jp/publications/pub_guidelines.html

文責:小宮顕(亀田総合病院 泌尿器科部長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 性機能障害

亀田総合病院 泌尿器科部長

小宮 顕

亀田総合病院 泌尿器科部長(男性不妊担当) 生殖医療専門医・生殖医療指導医。男性不妊診療を専門的に従事する。本コラムでは男性妊活の参考になる話題を紹介している。

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