治療予後・その他

2024.01.11

非糖質系甘味料妊娠中摂取による胎児に与える影響(Nutrients. 2022)

はじめに

WHOは非糖質系甘味料(non-sugar sweeteners:NSS)に関するガイドラインを公開し、体重コントロールや非伝染性疾患リスク低減を目的としてNSSを摂取しないよう勧告すると発表しました。NSS使用は成人・小児の体脂肪を減らすうえで利益が少ないばかりではなく、成人の2型糖尿病、心血管疾患、死亡率のリスク増加などとの関係している可能性が示唆されています。

https://www.who.int/news/item/15-05-2023-who-advises-not-to-use-non-sugar-sweeteners-for-weight-control-in-newly-released-guideline

では妊娠中のNSS使用は胎児へ影響を与えるのでしょうか。  

ポイント

妊娠中の非糖質系甘味料摂取は出生児の体重増加に影響を与えそうです。  

引用文献

Guowei Li., et al. Nutrients. 2022 Dec 1;14(23):5098.  doi: 10.3390/nu14235098. 

論文内容

妊娠中NSS摂取と出生児体重増加との関係を調査したシステマティックレビューです。PubMed(Medline経由)、EMBASE、Cochrane Libraryなどのデータベースを用いてヒト研究を検索しました。  
主要評価項目は、妊娠中NNS摂取の有無、または妊娠中NNS摂取レベルにより子供の1歳時のBMI Zスコアの差としました。データ統合のためにrandom-effects meta-analysisを実施し、加重平均差(WMD)を算出しました。  
合計6件の前向きコホート研究が該当し、そのうち3件をBMI Zスコアのプール解析に使用しました。NSS群では対照群と比較して、出生児の体重は影響を受けませんでしたが、1歳時の子どもの体重に有意な増加が認められました: BMI ZスコアWMD = 0.19(95%CI 0.07-0.31)、p値 = 0.002。用量反応分析の結果は、妊娠中のNSS摂取量と1歳時のWMDとの間に直線関係を示しました(NSS摂取量が1食/週増加するごとに、β=0.02(95%CI 0.001-0.04))。また、それ以降の体重増加とも関連を認めました。  

私見

妊活中も妊娠中も体重のことばかり指摘されるため、非糖質系甘味料を検討されるかた少なくないと思います。砂糖を非糖質系甘味料に置き換えることは、長期的には体重コントロールに役立ちません。糖の摂取を減らすためには、果物のような自然に存在する糖分を含む食品や、無糖の食品・飲料を摂取するなど、ほかの方法の選択が好ましいようです。

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

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WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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