体外受精

2024.04.09

フォリトロピンデルタのメタアナリシス(Reprod Med Biol. 2024)

はじめに

フォリトロピンデルタ(レコベル®)のシステマティックレビュー・メタアナリシスをご紹介いたします。 

ポイント

フォリトロピンデルタ(レコベル®)の個別アルゴリズムを使用すると、フォリトロピンアルファ・ベータと同様の有効性・安全性が担保されそうです。 

引用文献

Shinnosuke Komiya, et al. Reprod Med Biol. 2024 Mar 25;23(1):e12573. doi: 10.1002/rmb2.12573. 

論文紹介

ランダム効果メタ解析を行い、フォリトロピンデルタとフォリトロピンアルファ・ベータとの有効性と安全性を比較したシステマティックレビュー・メタアナリシスです。
2022年12月14日にMEDLINE、Embase、CENTRAL、ClinicalTrials.gov、WHO-ITCRPを用いてフォリトロピンデルタとフォリトロピンアルファ・ベータを比較したランダム化比較試験を検索しました。主要評価項目は、出生率と中等度/重度OHSS発生率とし、副次評価項目は中等度/重度早期OHSS、回収卵子数、継続妊娠率、胚盤胞数、副作用発現率としました。 

結果

2,682名3件の研究が解析対象となりました。
結果は以下の通り
出生率:差なし
RR、1.12;95%CI、0.91-1.38;I2=58%;証拠の確実性、低
中等度/重度OHSS:差なし
RR、0.78;95%CI、0.48-1.26;I2 = 51%;証拠の確実性、低
中等度/重度早期OHSS:フォリトロピンデルタやや少ない
RR、0.69;95%CI、0.46-1.04;I2=0%;エビデンスの確実性、中等度
回収卵子数:フォリトロピンデルタやや少ない
MD、-1.17;95%CI、-1.64~-0.70;I2=85%;証拠の確実性、中等度
継続妊娠率:差なし
RR、1.10;95%CI、0.92-1.30;I2 = 43%;証拠の確実性、低
胚盤胞数:差なし
MD、-0.61;95%CI、-1.48~0.27;I2=83%;証拠の確実性、低
副作用の発現率:差なし
RR、0.97;95%CI、0.83-1.14;I2 = 36%;証拠の確実性、低
AMH別の回収卵子数
15pmol/mL未満:フォリトロピンデルタやや多い
MD、1.05;95%CI、0.19-1.92;I2 = 56%であったが、15pmol/mL以上:フォリトロピンデルタやや少ない
MD, -2.54; 95% CI, -3.93 to -1.14; I2 = 77% 

私見

報告者らが指摘していますが、移植成績が初回胚移植(新鮮胚移植)に限局されていますので、凍結融解胚移植の出生数が多くPPOS法が普及している国内でどの程度マッチした薬剤かは今後の累積出生率を検討した研究が待たれるところです。 

取り上げられた3本のRCTは以下のとおりです。 

  1. Ishihara O, et al.Reprod Biomed Online. 2021; 42(5): 909–918.
    https://doi.org/10.1016/j.rbmo.2021.01.023
    当院コラム:レコベル®皮下注ペンの国内でのOHSSリスク評価(Reprod Biomed Online. 2021) 
  2. Qiao J, et al. Hum Reprod. 2021; 36(9): 2452–2462.  
    https://doi.org/10.1093/humrep/deab155
    当院コラム:アジアでのフォリトロピンデルタによる卵巣刺激RCT(Hum Reprod. 2021) 
  3. Nyboe Andersen A, et al. Fertil Steril. 2017;107(2):387–396.e384. 10.1016/j.fertnstert.2016.10.033
    当院コラム:北欧中心でのフォリトロピンデルタの個別化卵巣刺激RCT(Fertil Steril. 2017) 

 
他のフォリトロピンデルタ関連コラム 

メーカーの患者向けパンフレット
レコベル®皮下注ペンを使用される方へ – Find FERRING 

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 出生児予後

# 総説、RCT、メタアナリシス

# OHSS

# ゴナドトロピン

# 卵巣刺激

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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