体外受精

2024.03.22

PPOS法における累積生児出生率は?(Hum Reprod Open. 2023)

はじめに

PPOS法は増加傾向にあります。黄体ホルモン使用は様々ありますが、総合的に見たPPOS法の累積生児出生率を示した報告をご紹介いたします。

ポイント

様々なPPOSプロトコルを受けた女性の累積生児出生率は、女性の年齢が40歳未満(あるいは45歳未満)であり、胞状卵胞数に関係なく5個を超える回収卵が採取された場合、6回までの凍結融解胚移植の成績が一貫して向上します。 

引用文献

Yunhan Nie, et al.  Hum Reprod Open. 2023 Dec 21;2024(1):hoad051.  doi: 10.1093/hropen/hoad051. 

論文内容

生殖医療一施設にて2011年3月1日から2022年9月31日までにPPOS関連プロトコル(ジドロゲステロン+hMG製剤、酢酸メドロキシプロゲステロン+hMG製剤、ウトロゲスタン+hMG治療、黄体期開始プロトコル)を受けた女性18,593人を対象としたレトロスペクティブコホート研究です。  
女性年齢、回収卵子数、胞状卵胞数(AFC)によって6回の累積生児出生率を分類しました。年齢群(それぞれグループ1~5)は、30歳未満、30~34歳、35~39歳、40~44歳、45歳以上とした。回収卵子数は1~5個、6~10個、11~15個、16~20個、20個以上とした。AFCは<5、5-10、11-15、>15に分類しました。治療を継続しなかった患者が生児出産を達成する確率は継続した患者と同じであると仮定するKaplan-Meier分析(楽観的方法)と、生児出産を達成する確率はないと仮定するcompeting risk法(保守的方法)にて検討しました。さらなる解析では、CoxモデルとFine-Grayモデルが採用しました:前者は楽観的方法に相当し、後者は保守的方法に相当すします。  

結果

累積生児出生率は、6回の凍結融解胚移植にわたって女性の年齢と共に減少傾向を示し(それぞれ:楽観的:96.9%、96.6%、91.4%、67.3%、11.7%;保守的:87.3%、85.0%、74.0%、41.3%、7.5%)、少なくとも50%の成功率を達成するためにはより多くの凍結融解胚移植を必要としました(それぞれ:楽観的:2周期、2周期、2周期、4周期、>6周期;保守的:2周期、2周期、2周期、>6周期、>6周期)。累積生児出生率は、回収卵子数とともに増加しました(それぞれ:楽観的:93.8%、94.3%、95.8%、96.0%、95.6%;保守的:66.2%、78.3%、85.6%、88.9%、91.0%)。成功率50%以上を達成するために必要な凍結融解胚移植は、全群で同じでした(それぞれ:楽観的:2周期、2周期、2周期、2周期、2周期、保守的:2周期、2周期、2周期、2周期)。凍結融解胚移植6周期以内の累積生児出生率はAFCと共に増加しました(それぞれ:楽観的:89.2%、94.8%、95.9%、96.3%;保守的:67.4%、78.2%、83.9%、88.1%)、4群すべてが凍結融解胚移植2周期目までに少なくとも50%の成功率を達成しました。  

私見

PPOS法 世界的に見ても確率された卵巣刺激法と認識されてきている印象を受けます。次の国際ガイドラインでの位置付けが楽しみです。  

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# GnRHアンタゴニスト

# PP(PPOS)

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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