体外受精

2025.01.31

クロミフェン耐性PCOS女性の経腟的卵巣多孔術によるIVF改善効果(J Assist Reprod Genet. 2024)

はじめに

PCOSに対する排卵誘発の一手段として腹腔鏡下卵巣多孔術(LOD)が知られていますが、侵襲性や麻酔の観点から実施には制限がありました。近年では、より低侵襲で外来施行も可能な経腟的卵巣多孔術(TVOD)が注目されています。本研究では、クロミフェン耐性PCOS女性におけるTVODのIVF成績への影響を検討しています。

ポイント

クロミフェン耐性PCOS患者において、卵巣刺激直前に行う経腟的卵巣多孔術は、胚質や着床率、継続妊娠率を改善する可能性があります。

引用文献

Rubin SC, et al. J Assist Reprod Genet. 2024. doi:10.1007/s10815-024-03362-9

論文内容

本研究は、クロミフェン耐性でAMH高値、AFC>40と診断されたPCOS女性19名を対象に、TVOD施行前後でIVF成績を比較した前向き研究です。
15名でTVOD前後の新鮮胚移植周期を比較したところ、回収卵子数(7.2→13.2個)、成熟卵子数(4.6→9.5個)、胚盤胞数(0.73→2.77個)がいずれも有意に増加していました。
全周期を対象とした解析では、着床率(10%→37%)、臨床妊娠率(17.4%→61.9%)、継続妊娠率(4.4%→47.6%)もTVOD後で有意に改善しました(全てp<0.05)。

私見

TVODは腹腔鏡と比較して低侵襲であり、癒着リスクや熱損傷を伴わず、外来施行可能という点が臨床的に魅力です。多孔術の効果はアンドロゲン抑制や卵巣感受性改善など複数の機序が想定され、今後さらに安全性や適応症の整理が進めばPCOS治療の一選択肢として広がる可能性があります。

文責:川井清考(WFC group CEO)

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# 手術

# クロミフェン、AIなど

# 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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