プレコンセプションケア

2025.02.28

朝食摂取が体外受精の治療成績に与える影響(Nutrition. 2024)

はじめに

生活習慣と不妊治療の成績との関連が注目されています。特に食事のタイミングと生殖機能の関係については、時計遺伝子との関連が示唆されています。朝食欠食は、肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、脳卒中、冠状動脈疾患などのリスク増加と関連することが知られていますが、不妊治療における影響についてはよくわかっていません。今回、朝食摂取と体外受精治療成績との関連について調査した研究をご紹介いたします。

ポイント

週6-7回の朝食摂取習慣がある患者さんでは、体外受精による出生率が高く、流産率が低いことが示されました。

引用文献

Masanori Ono, et al. Nutrition. 2024 Nov:127:112555. doi: 10.1016/j.nut.2024.112555.

論文内容

不妊治療を受ける女性患者における食事摂取頻度とART治療成績との関連を評価するコホート研究です。
2022年2月から2024年1月まで、特定の疾患既往のない不妊症女性117名に質問票を配布し、101名から回答を得ました。
ART治療前と20歳時の食事摂取頻度、喫煙・飲酒状況などを質問票で収集し、年齢・BMI・AMH・出産歴などは診療記録から取得しました。

朝食
週6-7回=習慣的、週0-5回=非習慣的に分類。昼食・夕食も同様に分類。
生殖医療成績として臨床的妊娠、妊娠継続率、出生率、流産率を評価。

結果

朝食摂取群(53名) vs 非摂取群(48名)で、多変量解析にて以下の結果
・出生率:オッズ比 3.030(95% CI 1.048-8.771)
・流産率:有意に低下
昼食・夕食の頻度は治療成績との関連はなし

私見

朝食を定期的に摂取することが不妊治療成績に好影響を与える可能性が示されました。
Clock gene発現異常や代謝異常、生殖ホルモン異常が背景にあるのかもしれません。
色々なバイアスの可能性はありますが、まずは健康的な生活習慣を意識することが大切です。

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当ブログ内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 生活習慣

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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