体外受精

2025.04.03

GnRHアンタゴニスト投与中の早発LHサージリスク因子(Fertil Steril. 2014)

はじめに

GnRHアンタゴニスト法は当院での一般的な刺激法となります。過去にもTipsなどを取り上げています。

GnRHアンタゴニスト法対ロング法によるIVF(Hum Reprod Update. 2017)
GnRHアンタゴニストfixed法・flexible法を考える(Fertil Steril. 2004)
GnRHアンタゴニスト法における早発LHサージ(Reprod Biol Endocrinol. 2013.)
GnRHアンタゴニスト法における早期黄体化(J Assist Reprod Genet. 2019)
GnRHアンタゴニスト法の治療オプション(Hum Reprod Update. 2023)

早発LHサージのリスク因子について記載させていただきます。

ポイント

卵巣予備能低下患者はGnRHアンタゴニスト投与中でも早発LHサージを起こすリスクがあります。

引用文献

David E Reichman, et al. Fertil Steril. 2014 Jul;102(1):99–102. doi: 10.1016/j.fertnstert.2014.04.010.

論文内容

GnRHアンタゴニスト周期中の早発LHサージが起こるリスク因子を同定することを目的としたケースコントロール研究です。
2004年8月から2012年7月に、GnRHアンタゴニスト・フレキシブルプロトコルを実施した患者です。主要評価項目は、早発LH上昇(ベースラインから2.5倍以上の増加で17mIU/mL以上)としました。

結果

10,809件のGnRHアンタゴニスト周期のうち、早発LHサージ発生率は37件(0.34%)でした。早発LHサージ症例は高齢で、FSHが有意に高く、胞状卵胞数が減少していました。年齢をマッチングした対照群(割合1:50)と比較しても、卵巣予備能に違いがありました。

私見

LH上昇の他のリスク因子で気になるポイントを記載いたします。

– 患者年齢が高いこと
– 妊娠歴、出産歴、BMI、過去のIVF周期数、または刺激前の黄体期前処理に関しては有意差なし
– ゴナドトロピン使用量、総ゴナドトロピン使用量も共に高い
– 刺激期間:早発LHサージは平均して刺激11日目(11.6 ± 2.7日)に発生し、これは対照群のhCGトリガー日(8.6 ± 3.8日)より約3日遅いタイミング(P<0.0001)
– アンタゴニスト投与期間:有意差なし

何本か早発LHサージに関する報告を取り上げていますが、やはり傾向は一緒ですね。

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当ブログ内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# GnRHアンタゴニスト

# 卵巣刺激

# 卵巣予備能、AMH

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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