プレコンセプションケア

2023.12.11

国内生殖医療女性のビタミンD濃度(当院論文)

はじめに

ビタミンDは妊娠に対して必須の栄養素と考えられていますが、保険診療下では不妊症の検査として測定することは難しいため、プレコンセプションケアの一環として測定し、初診時のビタミンDの充足程度がどの程度重要かどうか日本でのデータが必要と考えました。 

学会の指針に基づき、ビタミンD濃度が十分(25(OH)D≧30ng/mL)、不足(25(OH)D=30~20ng/mL)、欠乏(25(OH)D<20ng/mL)の3つに分類されていますので、2016年9月から2021年12月までに、挙児希望で当院に来院された生殖年齢女性2,029名のビタミン25(OH)D濃度を調査しました。 

ポイント

国内生殖年齢女性2,029名のビタミンD濃度を調査した結果、十分な濃度の女性はわずか6.5%で、欠乏状態が65.5%を占めた。季節変動があり冬季に低下する傾向を認めたが、卵巣予備能やTh1/Th2細胞比との相関は認められなかった。 

引用文献

Kuniaki Ota, et al. Nutrients 2023, 15(24), 5059. doi: 10.3390/nu15245059 https://www.mdpi.com/2072-6643/15/24/5059 

論文内容

ビタミンD濃度が十分であった女性は6.5%に過ぎず、不足28.0%、欠乏65.5%でした。平均血清ビタミン25(OH)D値は、18.2±7.0ng/mLに留まりました。 
ビタミンD濃度は季節/月によって差が認められ、冬季には低くなりました。 
ビタミンD濃度と卵巣予備能には関係を認めませんでした。 
ビタミンD濃度とTh1/Th2細胞比には相関は認められませんでした。 

私見

調査にご協力いただいた患者の皆様と、ビタミンDなど栄養素の研究を以前から行なっている太田先生のご尽力のもと論文受理に至りました。 血中ビタミンD濃度が低いことは様々な疾患と関連性があることが報告されていますが、挙児希望のある生殖年齢女性における血中ビタミンD濃度に関する大規模な研究成果は世界的に見ても行われておらず、非常に貴重な成果と言えます。 また、日本における生殖年齢女性2016-2021年の最近のデータであり、将来的子供を持ちたいと考える日本人女性の栄養摂取を見直すきっかけになってくれたらと思います。 

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 生活習慣

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WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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