治療予後・その他

2024.03.28

体外受精双胎妊娠とPEリスク(BMC Pregnancy Childbirth. 2022)

はじめに

体外受精と妊娠高血圧症候群(PE)はともに胎盤機能不全と関連することがわかっています。体外受精はPE発症率を増加させますが、体外受精妊娠した二卵性双胎妊娠PEのリスク因子となるかはわかっていません。双胎妊娠でPE発症した女性が、どのような特徴があるかを示した報告をご紹介します。

ポイント

PE発症の双胎妊娠では早期発症および胎児発育不均衡が起こりやすいことがわかりました。 

引用文献

Fen Dai, et al. BMC Pregnancy Childbirth. 2022 Nov 10;22(1):830. doi: 10.1186/s12884-022-05184-y.

論文内容

体外受精妊娠した二絨毛膜双胎妊娠における妊娠転帰とPEリスクを、自然妊娠と比較して検討したレトロスペクティブコホート研究です。2016年から2020年に、PE発症した二絨毛膜双胎妊娠女性181名を対象としました。体外受精群(n=117)と自然妊娠群(n=64)を比較検討しました。  

結果

二卵性双胎妊娠における早期発症 PE率 および胎児発育不均衡(>20%)の発生率は、体外受精PE群が 自然妊娠PE群より高くなりました(78.60% vs 43.80%, P < 0.001, 11.10% vs 25.00%, P = 0.015)。体外受精(aOR=4.635、95%CI:2.130-10.084、P<0.001)および胎児発育不均衡(aOR=3.288、95%CI:1.090-9.749、P<0.05)は、早期発症PEの発生率を増加させることがわかりました。  

私見

sFlt-1やsEngの血清レベルは、34週未満PE患者で有意に上昇していることがわかっていますが、妊娠初期体外受精双胎妊娠では自然双胎妊娠より高値になることもわかっていますし、妊娠中期のAFP値が体外受精妊娠で自然妊娠より高いことがわかっています。ホルモン補充周期凍結融解胚移植を減らせば解決するのか、ホルモン補充周期凍結融解胚移植でもアスピリンを服用すると低下するのかが今後の焦点だと思っています。  

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 多胎

# 妊娠高血圧症候群

# 周産期合併症

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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