体外受精

2024.01.29

正常核型胚移植に胚盤胞グレードは関係する?(Reprod Med Biol. 2024)

はじめに

正常核型胚移植を行う際、以前の胚盤胞形態学的グレードは成績に関係するかどうかを調査した国内報告をご紹介いたします。

ポイント

正常核型胚移植を行う際、形態学的評価(特にICM)が良好なものから移植することが好ましそうです。

引用文献

Takahiro Suzuki, et al. Reprod Med Biol. 2024. doi: 10.1002/rmb2.12560

論文内容

国内生殖医療施設451症例の単一正常核型胚移植のレトロスペクティブ解析を行いました。胚は、胚盤胞拡大グレード、ICM、TEのガードナー分類による形態評価、および胚盤胞凍結日を評価対象としました。主要評価項目として、形態学的に低グレード胚盤胞(ICM/TEでCがついた胚盤胞)vs. 中・高グレード胚盤胞の妊娠転帰としました。

結果

妊娠転帰は、形態学的に低グレードの胚盤胞では中・高グレードの胚盤胞と比較して有意に低くなりました。正常核型胚移植においても、形態学的評価の特にICM評価は生児獲得率と関連していることが分かりました。

  • 中・高グレードの胚盤胞群
    着床率:64.5%、妊娠率:52.6%、生児獲得率:42.2%、流産率:22.3%
  • 低グレードの胚盤胞群
    着床率:41.7%、妊娠率:27.1%、生児獲得率:18.8%、流産率:22.9%

私見

今回の検討では、ICM以外の胚盤胞拡大グレード、TE形態評価、および胚盤胞凍結日では差がなかったのも興味深い結果だと感じています。
正常核型胚移植において形態学的良好胚の方が成績が良いという報告の方が現状では多く見られます。

※正常核型胚移植において形態学的良好胚の方が成績が良い
Irani M, et al. Fertil Steril. 2018; 110(1): 95–102.
Lou H, et al. J Ovarian Res. 2021; 14(1): 18.
Irani M, et al. Fertil Steril. 2017; 107(3): 664–670.
Zhang WY, et al. J Assist Reprod Genet. 2022; 39(3): 647–654.
Shear MA, et al. Reprod Biomed Online. 2020; 41(6): 981–989.
Peng X, et al. Reprod Biol. 2020; 20(4): 496–500.

※正常核型胚移植において形態学的評価は成績に関係しない
Capalbo A, et al. Hum Reprod. 2014; 29: 1173–1181.
Viñals Gonzalez X, et al. J Assist Reprod Genet. 2019; 36(8): 1623–1629.

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# 着床前遺伝学的検査(PGT)

# 胚盤胞

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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