治療予後・その他

2026.07.23

ESHRE 2026 当院採択演題 その2

第42回ESHRE年次学術集会(2026年7月5〜8日、ロンドン)に当グループから4演題が採択されました。今回は表参道ARTクリニック・小川達之院長、亀田IVFクリニック幕張・西井部長代理の2題を取り上げます。

③ 表参道ARTクリニック 小川達之 院長

Duration of treatment, not the IVF/ICSI procedure itself, is associated with significant weight gain before pregnancy

演題のまとめ

「不妊治療、特にIVF/ICSIで太るのでは」という患者の不安は根強いものの、体重増加が手技そのものによるのか治療の長期化によるのかは明確に切り分けられてきませんでした。本研究は2017〜2024年に亀田IVF幕張で妊娠成立・卒業した1,344名を対象に、初診時から妊娠前までの5%以上の体重増加を、治療期間・IVF/ICSI使用・採卵回数・胚移植回数と関連づけた後方視コホートです。

結果

全体の15.6%が5%以上増加しました。年齢・baseline BMIで調整した多変量解析で独立した関連因子は治療期間のみ(調整OR 1.023/月、95%CI 1.015–1.030、p<0.001)で、IVF/ICSI使用(OR 1.17、p=0.58)や採卵回数(OR 1.06、p=0.32)は無関連、胚移植は弱い関連にとどまりました(OR 1.12、p=0.054)。>12ヶ月の治療は6〜12ヶ月に対しOR 2.95と関連を認めました。baseline BMIによる効果修飾はありませんでした(交互作用p=0.98)。

④ 亀田IVFクリニック幕張 西井 部長代理

Endometrial CD138 Immunostaining and Absolute Bacterial Quantification Provide Complementary Information for Chronic Endometritis Management

演題のまとめ

2025年4〜12月に亀田IVF幕張でCD138免疫染色とqPCRによる内膜細菌検査(OpenArray、Igenomix)を同時実施した不妊女性97名の後方視解析です。CD138陽性は47.4%。qPCRを①CE関連病原菌10種、②dysbiosis関連菌16種、③Lactobacillus絶対量の3カテゴリに分類しました。

結果

CD138陽性と有意に関連したのはCE関連病原菌のみ(OR 7.70、p=0.006)で、特異度96.1%・PPV 84.6%と高い診断性能を示しました。一方、dysbiosis関連菌・Lactobacillus絶対量はいずれも無関連でした。注目すべきはCD138陽性例の76.1%(35/46)で病原菌が検出されず、「病原菌陰性のCD138陽性炎症」という表現型の存在が示されたことでした。

私見

二人の参加レポートを転載させていただきます。このように思える仲間がふえていくグループとしていきたいと思います。

小川先生のESHRE年次総会に参加したコメント

「ESHRE 2026への参加を通じて、日常診療だけでは得ることのできない多くの知識や新たな発想に触れ、さまざまな気付きを得ることができました。大きな刺激を受け、自身の成長を実感すると同時に、より良い医療を提供するためには、今後も一層の研鑽を重ねていく必要があることを改めて痛感しました。
このような貴重な経験の機会を得られたことに感謝し、これからも学術的な歩みを止めることなく、日々進化しながら、学んだことを一つひとつ患者様へ還元してまいります。」

西井先生のESHRE年次総会に参加したコメント

「ESHREへの参加は、世界の最先端に触れる貴重な機会となりました。国内学会では得られない刺激や新たな気づきを多く持ち帰ることができました。この経験を日々の診療に活かし、目の前の患者様により良い医療をお届けできるよう、今後も励んでまいります。」

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

# ラクトバチルス

# 体重、BMI

# 子宮内細菌叢検査

# 生活習慣

# 慢性子宮内膜炎

WFC group CEO

川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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