はじめに
iDAScore がversion 1から version 2にアップグレードしています。
ポイント
- version 1と同じテクノロジーを使用(3D Deep Neural Network)
- データを追加し、予測パフォーマンスが向上
- Day 2/3:39時間~84時間、Day 5+ :108時間~でスコアリング可能
- version 1とversion 2のスコアで比較・変換は困難
- 3日目胚ではKIDScore D3モデルと同等
- 胚盤胞ではKIDScore D5 v3より高い性能
引用文献
Jacob Theilgaard Lassen, et al. Sci Rep. 2023 Mar 14;13(1):4235. doi: 10.1038/s41598-023-31136-3.
論文内容
2011年から2020年に世界中の22体外受精施設で実施された34,620件249,635個の胚を対象とした多施設共同レトロスペクティブコホート研究です。2日目、3日目、5日目以上の胚移植に焦点を当て、データをクリーンアップし、181,428個の胚(8,465胎児心拍陽性胚、25,223胎児心拍陰性胚、147,741廃棄胚)を、トレーニング(85%)とテスト(15%)に分割し3D Deep Neural Network解析を行いました。
結果
移植時期に応じてAUC 0.621-0.707となりました。予測性能は時間の経過とともに上昇し、形態運動学的パラメータと強い相関を示しました。性能は、3日目胚ではKIDScore D3モデルと同等、胚盤胞ではKIDScore D5 v3より高い性能を示しました。
サブグループ解析(年齢、受精方法、移植方法)では、39歳以上の年齢においてAUCが高い傾向が見られました。
| 2日目胚AUC | 3日目胚AUC | 胚盤胞AUC | ||
| 年齢 | <30 | .650 | .584 | .597 |
| 30-34 | .706 | .594 | .685 | |
| 35-39 | .640 | .598 | .655 | |
| >39 | .723 | .743 | .772 | |
| 受精方法 | ICSI | .654 | .630 | .719 |
| IVF | .662 | .609 | .678 | |
| 移植方法 | 凍結融解 | .685 | ||
| 新鮮胚 | .674 | .623 | .731 |
私見
AIスコアリングシステムの進化により、胚評価の客観性と予測精度が向上しています。特に39歳以上の年齢層で高いAUCを示した点は臨床的に有用な知見です。ただし、version 1とversion 2のスコアは直接比較できないため、施設内でのデータ蓄積と評価が重要となります。
〜AIスコアリングに関する当院コラム〜
- 胚評価システム(iDAScore)と胚形態動態の関連(Reprod Biomed Online. 2022)
- タイムラプスAI scoringどこまで参考にする?(Fertil Steril. 2021)
- AIスコアリングは正倍数性胚率と相関する(Reprod Biomed Online. 2022)
- 胚評価システム(iDAScore)と出生率・新生児予後の相関分析(J Assist Reprod Genet. 2022)
- 胚盤胞の形態・動態予測モデル(KIDScore™)の妊娠予測は有用?(論文紹介)
文責:川井清考(WFC group CEO)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。