体外受精

2023.09.06

iDAScore v2.0は妊娠予測性能が向上している(Reprod Biomed Online. 2023)

はじめに

どの胚盤胞を移植胚とするかはとても判断が難しいところです。ガードナー分類でday5BCとday6BAならどちらを移植しよう?このような悩みはつきません。客観データとしてのiDAScoreは生殖医療者・患者サイドともに移植胚を選択するうえでわかりやすいスコアリングだと思っています。バージョンアップされたiDAScore v2.0とv1.0を比較した臨床成績をご紹介いたします。

ポイント

iDAScore v2.0は胎児心拍陽性の妊娠予測性能において、どの年齢層をみてもiDAScore v1.0、ガードナー分類と同等もしくは優れていることがわかりました。

引用文献

Satoshi Ueno, et al. Reprod Biomed Online. 2023. doi:10.1016/j.rbmo.2023.103308

論文内容

凍結融解単一胚盤胞移植3,960周期のiDAScore v2.0を用いた妊娠予測をレトロスペクティブに実施しました。胚はSARTが推奨する年齢群(< 35, 35–37, 38–40, 41–42, > 42)にて層別化しました。胚のスコアリングは、iDAScore v1.0、v2.0、およびガードナー分類によって評価しました。各年齢別にROC AUCを用いて比較検討しました。

結果

全コホートにおけるiDAScore v2.0、iDAScore v1.0、ガードナー分類のAUCはそれぞれ0.736、0.720、0.702であり、iDAScore v2.0はiDAScore v1.0、ガードナー分類より高くなりました(p<0.0001)。

  • 35歳未満群(n = 757)
    iDAScore v2.0のAUCはガードナー分類より高くなりました。
    (0.718 vs. 0.694、p = 0.015)
  • 35-37歳群(n = 821)
    iDAScore v2.0のAUCはiDAScore v1.0より高くなりました。
    (0.712 vs. 0.696、p = 0.035)
  • 41-42歳群(n = 715)
    iDAScore v2.0のAUCはガードナー分類よりも高くなりました。
    (0.745 vs. 0.696、P = 0.007)
  • 42歳以上群(n = 660)と38-40歳群(n = 1,007)
    群間に差は認めませんでした。

私見

iDAScore v2.0の性能は、この報告のFigure3にすべて表れていると思います。実際の臨床現場では、iDAScoreとガードナー分類とを総合的に判断して移植胚を決定します。どのように評価基準を使用するかは、クリニック側の裁量に委ねられています。 

文責:川井清考(WFC group CEO)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのコラムです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。当コラム内のテキスト、画像、グラフなどの無断転載・無断使用はご遠慮ください。

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川井 清考

WFCグループCEO・亀田IVFクリニック幕張院長。生殖医療専門医・不育症認定医。2019年より妊活コラムを通じ、最新の知見とエビデンスに基づく情報を多角的に発信している。

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